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左手のブレスレット

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数年前まで、私は必ず左手にブレスレットをしていました。

それには、ある思い出があってのこと。


大昔だけど1度だけ、生きることが心の底から辛いと思ったことがありました。


後にも先にも、あの時だけでした。

mouはまだ幼くとても臆病過ぎて、死にたいなんて畏れ多いことは考えられません。

ただただ辛いと思いました。



その時、何をしたのかというと…

木の下で、幹にもたれ座っていました。

雨の中、裸足で、ずっと土の上に座っていました。

体の中に、どんどん雨が染み込んでゆくようです。

じっと目を閉じていました。

そうしているうちに空想が頭をよぎります。

私の足から、にょきにょき根っ子が生えるんです。

私の頭から、ひょっこり芽が生えます。

雨が染み込んだ私の腕から指から、どんどん芽吹いてきます。

そうして私は、いつか木になる。

そうすれば私は人として生きることが悲しくて出来なくても、木になれば悲しくはないのです。


そんな風に、ぐんぐん木になり空へと伸びる。


私は長い長い時間、夢の中で遊んでいました。




その間、私の周りの人達は、大変な思いをしたようでした。

夜の雨の中、私を探し回りました。

そして、とうとう木の下でうずくまるmouを発見したのです。

でも第一発見者はmouに声をかけずに、mouの祖父を呼びに行きました。

mouを発見するに相応しい人物は、mouの名付け親である祖父だと思ったからです。



祖父は私を抱きよせ、木から離しました。

体は冷えきっていて、もう私には立ち上がる力は残されていませんでした。

地べたにヘタりこんだ私の左手首を強く握りました。

どうして、こんな事を?

と尋ねました。

生きることは辛いから、私は木になりたい

と答えました。

そのとたん、現実に引き戻されたmouの目からは涙がポロポロと溢れ落ちました。

祖父は、私の答えに目を赤くして答えました。

あの時、お前を守りたいと思ったのに、手放さなすまいと思ったのに、守れなかった。

悲しい辛い思いをさせてしまった。

もしお前が生きるのが辛いなら、私が一緒に死のう。どこまでも一緒にいこうと思う。

祖父が、あまりに強く手首を握るので、もう骨が折れそうな程、痛かったのです。


痛いから離して


とmouは言いました。


ずっと死ぬまで離さない


と祖父は言いました。


それからタオルを持った人が次々に来ては、mouの隣に座り、体や髪を拭き、温めるように擦りました。

そうしながら初めて赤ん坊のmouに出会った頃の話をしてくれました。

巻き毛で大きな目をしたmouは、まるで人形の様に愛らしかったこと…

祖父がmouと母を助けようと駆けつけた時に、痩せ細った母は、わずかな小銭しか持っておらず故郷に帰る術も失っていたこと…

それでもmouはコロコロとよく肥えていて、母がmouだけは飢えさせまいと耐え忍んでいたこと…


祖父が仕事の帰りにいつもmouに似ているから、つい買ってしまったと言っては人形を持ち帰ってくること…




赤ん坊のmouと母を残し実父は蒸発しました。


その事実を受け入れられなかった母は、ただじっと飢えに身を任せていたようです。


祖父の手により救われたmouでしたが、それからも次々と幼いmouには辛い出来事が押し寄せました。


でも、この出来事以来、私は生きることが辛いとは思わなくなりました。


皆を心配させて何時間も探し回らせたのに、あげく愚かな事を事を言ったのに、でも祖父は私を叱ったりはしませんでした。


ただ私の心のままに、その私と一緒にいこう、とそう私に伝えました。


悲しい出来事は常に祖父の愛情と一緒になり、私の涙は悲しいのか喜んでいるのか分からない涙に変わりました。


大人になり祖父と離れて暮らし始めたとき、私は自分のためにブレスレットを買いました。




それはシルバーだったり、淡水パールだったり、でも最後に私の手にしっくり馴染んだのは「インカローズ」でした。


参拝した神社の参道のお店で、ふと目に留まり買いました。


インカローズは淡いピンクの石です。

光に透かすと、まるで血潮の様な石です。

とても劣化しやすい石なので、数年に1回は傷んだ石を新しい石に入れ換えないといけません。

その度に自分に合う石を、一つ一つ探して歩きました。

時々、水晶や違う石を混ぜたり、違う形や大きさのインカローズを選んだりしながら、ずっとインカローズを身につけて来ました。

そうこうしているうちに祖父は亡くなりました。


それから1、2年経って…何年ほど前でしょうか?


思い出せません。


ある男性に出会った時です。


私は、その時に大切にしていたインカローズを失ってしまいました。

その男性とは恋人になることなく、すぐに別れてしまいました。


何故か、それ以来インカローズが欲しいと思わなくなりました。


ブレスレットもしなくなり、他の石も欲しいとも思わなくなりました。


よく大切な物を失った時は、何か悪い出来事の身代わりになってくれたなんて例えたりしますね。


mouも、そうなのかもしれません。


でも常に御守りとして身につけてきたのに、代わりのインカローズを必要としないのは、とても不思議です。


ひょっとしたらインカローズは、自分では気付かないだけで既にmouの近くにあるのかもしれません。



なんて想像して、楽しんだりしています。











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